アサリ
こんにちは、山口です。
今回の医食同源でとりあげるのは「アサリ」です。
子供向け漫画としては異例の長期連載であった「あさりちゃん」が、
このほど単行本100巻をもって無事完結されたとのことです。
私も子供の頃に読んだ記憶がありますが、なんと36年も続けられたとのことで、
時代の変化の激しい中にあって、それだけの長期間、子供向けの話を作られ続けた
室山まゆみ氏に、頭が下がります。
のっけから食べ物と関係ない話になりましたが、
「あさりちゃん完結記念」なのかどうか、旬の味覚であるアサリの話です。
たくさんある食用の貝の中でも、アサリは美味しさや値段の手ごろさから
日本でとても人気があります。
同じ二枚貝ではハマグリが割と近い仲間で、少し離れてシジミ、
ホタテやカキは別の仲間といった具合です。
アサリに適した水質は汽水域(海水と淡水が混じった塩分の薄い水のある場所)で、
周りを海に囲まれ、雨や雪が多く、川がたくさん流れている日本にはぴったりの貝です。 貝塚という遺跡が日本各地で見つかっているように、アサリは非常に古くから食されて
きました。
最近の研究によると、貝塚の貝殻の量があまりにも多いため、
地元でアサリを採った人たちだけで食べていただけでなく、別の地域に住む人達に
塩などと一緒にアサリをあげたり、物々交換に用いたのではと考えられているそうです。
もしその通りだとしたら、とてもほのぼのした太古の時代が思い浮かびます。
単純にアサリ好きな人達が大食いしただけだったとしても、それはそれで愉快ですが。
そんなアサリを栄養面から見ますと、脂質が低く低カロリーで
鉄分、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルを非常に多く含んでいます。
カルシウムは骨や歯を作る元となり、マグネシウムは様々な代謝を助ける働きがありま
す。またカルシウムとマグネシウムは共に神経や筋肉の働きを助ける働きもあります。 亜鉛もアルコールを分解するなどの代謝を助ける働きや、有害な活性酸素を抑える
抗酸化酵素を作る元となり、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きなどがあります。
鉄分は血液の赤血球を作る元となり、細胞を作るのを助けるます。
また赤血球を作るのを促すビタミンB12もアサリには多く含まれており、
上記の鉄分とともに血液を健康にし、特に貧血の予防に効果を発揮します。
また魚介類に多く含まれるタウリンはアサリにも当然含まれており、
肝臓の働きを助けて体内の毒素をとり除いたり、高血圧を防いだり、
また疲労から回復するなどの働きがあります。
飲み過ぎや食べ過ぎの後に、アサリやシジミのみそ汁で〆るのは、
あっさりして美味しいことももちろんですが、栄養面での裏付けがあることなんですね。
今回は、今年の春のどんぐりおすすめメニュー「アスパラとアサリのガーリック塩焼そ
ば」をご紹介して〆させていただきます。アスパラとアサリという旬の食材をソテーし、
どんぐり自慢の塩ダレで焼そばとからめました。ニンニクの香りが食欲をそそります。
それでは今回はこの辺で。