京都イベントレポート
みなさんこんにちは、辻です。
昨日、京都国立博物館へ、特別展「宸翰 天皇の書」を見に行きました。
「宸翰」とは、天皇が書かれた書のことです。
125代続く日本の天皇がさまざまな場で記した書が、美術品・文化財・あるいは国宝として、大切に保管されています。
そのような貴重な「宸翰」144点を一堂に集めたのが今回の特別展です。
「宸翰」には様々な種類があり、公的な文書、経文、和歌、そして日記のようなものもあります。
高名な僧が書いた経文の最後に天皇が「奥書」を記したもの、送られてきた手紙の余白に天皇が返事を記したもの、等も多数残されています。
中には歴史の争乱の中で、都を追われ配流された先で書かれたものや、病の床の中で記された「絶筆」もありました。
一字一字に願いを込めて、楷書で丁寧に書かれた写経。
歌の席で和歌をしたためたものは、まるでその文字自体が絵画であるかのような流麗で風雅な書体でした。
日記や近しい人に送った手紙などは、少しくだけた感じのリラックスしたような文字に見えます。
天皇自らの手形(御手印)が押されているものもありました。
手形には、神のように崇められた人も私達と全く同じ人間だった事が伝わってくるような生々しさがありました。
でもどの書にも共通しているのは、この国をまとめるたった一人の存在であるという、
「自負」「気品」そして「風格」が感じられるということ。
書は、自分が亡くなったあともこの世に残るかも知れない物です。
自分が死んでしまった後、自分の思いを語るもの、どういう人間だったのかを伝えるもの。
自分が見る事のない遠い未来も、この国が繁栄し、国民が幸せであるように、
その為に天皇という存在が末永くありつづけるように、
そういった「願い」がこめられているように感じました。
展示の一番最後のスペースには、昭和天皇が妙心寺へ下賜する為揮毫された「無相」と書かれた書があります。
曇りのないお心を表すような力強い筆遣いの文字は、圧倒されると同時に心が洗われるような思いがしました。
特別展「宸翰 天皇の書 -御手が織りなす至高の美-」は、
11月25日(日)まで、京都国立博物館で開催中です。皆さんも是非訪れてみてくださいね。
近くには「どんぐり京都駅前店」もございますので、お越しの際には是非お立ち寄りください。
http://www.dongurionline.com/category/24.html
それでは今日はこのへんで。