ホウレンソウ
こんにちは、金曜日担当の山口です。
今週の医食同源でとりあげるのは、ホウレンソウです。
ある年代以上の方にとっては、
ホウレンソウといえばポパイ、ポパイといえばホウレンソウ、
というイメージがあるのではないでしょうか。
マッチョ体型な水兵さんのポパイが、ホウレンソウを食べた途端に
さらにパワーアップして(特に瞬発力と動体視力)、
大男のブルートをやっつける、という黄金パターンが毎回繰り返されます。
水戸黄門の印籠や、特撮の変身ヒーローのようなわかりやすさで、
ホウレンソウが栄養たっぷりであることを強く印象づけてくれました。
しかし、いかにも高カロリーあるいは高タンパク質という食品ならともかく、
ホウレンソウを食べて、そのようなパワーが出るものなのでしょうか?
葉物であるホウレンソウは、100gあたり23kcalとカロリーは低く、
炭水化物、脂質、タンパク質のいずれも、それほど多くはありません。
しかし、栄養価が低いということでは決してありません。
見た目から予想されるように、ホウレンソウはβカロテンの豊富な緑黄色野菜です。
βカロテンは体内でビタミンAに変化します。
ビタミンAは粘膜を作ったり、粘膜や髪や皮膚を作ったり、目の機能を保つほか、
呼吸器系の病気を防ぐなどの効果もあります。
またビタミンC、E、食物繊維、カルシウムなども含まれていますが、
何といっても特筆すべきは鉄分と葉酸が豊富なことです。
鉄分は血液の中の赤血球に必要なミネラルで、不足すると貧血になります。
葉酸はクリの回でも触れましたが、ビタミンB9とも呼ばれ、
血液を造るのに重要な役割を果たします。
そして葉酸は鉄分を吸収するのを助ける働きもあります。
鉄分はそのままでは吸収されにくい栄養分ですが、
ホウレンソウは鉄分と葉酸の両方が多く含まれるため、
効率よく鉄分を摂ることができる食品なのです。
つまり、ホウレンソウは体のエネルギー源そのものと言うよりも、
エネルギーを体に循環させる血液を健康にする、そういう野菜なんですね。
では、ポパイについて真剣に考えてみましょう。
ポパイが食べていたのは、ホウレンソウの「缶詰」です。
それをなんと片手で握り潰して圧力でフタをこじ開け、
勢いで飛び出したホウレンソウを、ぺロリと一口で食べてしまいます。
こんなことは、もともと怪力で、大食いで、元気でないと不可能です。
それに加え、食べてすぐに(消化・吸収される間もなく)力を発揮します。
おそらく、ホウレンソウに含まれる栄養分がポパイの体に作用するというよりも、
もともと強いポパイが、大好物のホウレンソウを食べてハイテンションになり、
その勢いに任せて馬鹿力を発揮する、そう考えたほうがスジが通るかと思います。
そして、こんなことを真剣に考える私は、きっとアホなのでしょう。
ホウレンソウの旬は11月から2月にかけての寒い時期です。
どんぐりの店舗では、冬のおすすめメニューにおいて恒例の食材となっています。
今年の冬は「京豆腐とほうれん草のミートチーズ焼」が登場します。
週明けの月曜日、12月12日からスタートしますので、
是非ご賞味下さいます様お願い致します。
それでは今回はこのへんで。