こんぶ
こんにちは、金曜日担当の山口です。
今回の医食同源の食材は「こんぶ」です。
こんぶは前回のかつおぶしなどと同じく、主にだしをとるのに利用されますが、
その他にも佃煮やとろろ昆布など、そのまま食べることも多いですね。
また、「よろこぶ」に通じる縁起ものとして、昆布巻きをおせち料理に入れたり、
「子生婦」と字を当てて子宝に恵まれるよう、結納品として用いられたりします。
それほど、こんぶは昔から日本人に大切にされているということですね。
こんぶというのは単一の種類ではなく、いくつかの種類があります。
日本では北海道沿岸や三陸海岸などの親潮(寒流)の海域の漁場で採れ、
全収穫量のうち約3分の1が養殖もの、残り約3分の2は天然ものだそうです。
国産の天然ものの95%は北海道産で、採取した海域により銘柄や等級が、
細かく分けられているそうです。
潮の流れ、水質や水温などが、味の違いとなって現れるからということです。
かつては北方領土や樺太でもこんぶ漁が行われていたそうですが、
戦後はこれらの海域でのこんぶ漁は行われなくなります。
戦前は日本領だったこれらの地域が、旧ソ連の支配地域となったからです。
そして現在ではロシアが、引き続きこれらの地域を実効支配しています。
日本や中国では重要な食材であるこんぶですが、ロシアでは全く利用されないということで、
樺太産の良質のこんぶを輸入する動きもありますが、現在は小規模にとどまっています。
国内の漁業を保護する目的で、こんぶは輸入制限されているからです。
政府関係者の努力にも関わらず、遅々として進まない北方領土問題。
これらの地域に故郷や先祖のお墓がある日本人も多くおられますが、それにとどまりません。
こんぶの他にもサケ、マス、タラなどの日本の食文化に深く根付いた水産資源も多く、
高くはない日本の食料自給率からも、この地域の重要性はいくら強調しても、
しすぎということはないでしょう。
難しい問題かもしれませんが、なんとか無事に解決してほしいと思います。
話が大きく脱線してしまいましたので、本題へ。
こんぶは栄養的にも優れた食品で、カルシウムが非常に多く含まれています。
カルシウムは骨を丈夫にするほか、筋肉や神経の働きにも関係しており、
体内で非常に重要な役割を果たすミネラルです。
さらに必須ミネラルであるヨウ素の含有量は、全食品の中でもトップクラスです。
ですが、内部被ばくを防ぐ目的で、こんぶなどヨウ素を含む食品をたくさん食べても、
医薬品であるヨウ素剤のような効果が得られるかどうかは不明だそうです。
ヨウ素剤の投与後は医師の検査が必要だということですし、
食べ物で同じようにというわけには、なかなかいかないようです。
さて、どんぐりオンラインショップで販売中の「京佃煮の入った京都米おにぎり」には、
「細切り昆布」「木の芽煮」と、こんぶを使った佃煮のおにぎりが2種類入っています。
どちらも旨みのつまった、とても美味しいおにぎりになります。
他の3種類のおにぎりと一緒に、ぜひお召し上がりください。
※現在は販売終了となっています。
それでは、今回はこの辺で。