すぐき
こんにちは、山口です。
今回の医食同源でとりあげるのは「すぐき」です。
日本の代表的な観光都市・京都には、様々なお土産品があります。
その中でも京漬物は非常に有名で、それでいて地元京都人の
日常の食卓にも欠かせない、とても大切な郷土文化です。
すぐきとは漢字では「酸茎」と書き、かぶの一種である「すぐき菜」の
「かぶ」と「葉」を塩で漬けて、乳酸発酵させたものになります。
すぐきは代表的な京漬物の一つで、晩秋から冬の味覚です。
市内の繁華街付近を南北に流れる有名な鴨川を上流へ北上しますと、
西の賀茂川と東の高野川が合流する地点につきます。
この2つの川に挟まれた中州の地域で育てられたすぐき菜のみが、
すぐきのお漬物になります。
ちなみに、この中州の南端付近にあるのが下鴨神社(賀茂御祖神社)、
賀茂川に沿ってさらに北上したところにあるのが上賀茂神社(賀茂別雷神社)で、
どちらもユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」として登録されています。
京都に来られたことのある方でしたら、「ああ、あの辺りか」と
思い出していただけるのではないでしょうか。
さて、乳酸発酵させるところがすぐきの特徴の一つで、
名前にもあるようにサッパリとした酸味を生み出します。
しかし、単に味が変化するということに留まりません。
すぐき漬に含まれるラブレ菌という植物性乳酸菌は、非常に優れた力を持ち、
生きたまま腸まで届き、腸内の環境を整える働きがあります。
以下に列挙しますと「腸管の新陳代謝を活発にし、栄養の吸収を高める」
「腸の免疫力を高め、がんなどを防ぐ」「悪玉菌の繁殖を抑える」
「悪玉コレステロールを菌の中にとりこみ、腸が吸収をするのを防ぐ」
「便通を良くする」「肝臓の解毒作用を高める」…などとなっています。
まるであやしい効力を謳ったグッズの広告のような勢いですね。
こんなに素晴らしい効果を持つのですから、当然ラブレ菌は注目を集めており、
最近では健康食品などにも配合されています。
このラブレ菌が発見されたのはそんなに昔ではなく1993年で、
日本の研究者・故・岸田綱太郎氏によって、なんとすぐきから発見されたのです。
氏が設立されたルイ・パストゥール医学研究センターは、先ほどの中州の少し外、
下鴨神社のほど近くにあります。私も初めて知りました。
その他のすぐきの栄養ですが、ビタミンC&K、βカロテン、葉酸などのビタミン類と、
カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル類等が含まれています。
特に出血を止める働きや骨の代謝をサポートするビタミンKが非常に多く、
鉄および鉄の吸収を助ける葉酸と合わせ、骨や血液を健康に保つ 効果が高い食材である
と言えると思います。
さて、今回のおすすめメニューは、オンラインショップでお求めいただける
「京漬物の入った京都米の焼おにぎりセット」です。
京都の老舗「澤井醤油」さんの醤油で味付けした焼おにぎりの中心に、
すぐきをはじめ、しば漬などの京漬物5種類を詰めた商品で、電子レンジで温めるだけで
お手軽にお召し上がりいただけます。
それでは今回はこの辺で。