日本酒
※火曜日担当の辻がGWの振り替え休日でお休みを頂いているため、
本日は金曜日の山口がお送りいたします。
辻の記事は5月27日金曜日に公開いたします。
こんにちは、金曜日担当の山口です。
今週の医食同源でとりあげるのは「日本酒」です。
どんぐり発祥の地・京都の伏見は、兵庫の灘と並んで有名な酒どころです。
どんぐり新堀川店から少し離れると、たくさんの酒造メーカーの事業所があり、
瓦葺きやレンガ造りの酒蔵や煙突など、趣のある風景がそこかしこで見られます。
また地元で作られた日本酒を提供している飲食店もあちこちにあります。
お酒を作るには、糖分に酵母を加え発酵させてアルコールにするのですが、
ブドウのように元々糖分の高い果実から作るワインなどと違い、
お米のようなデンプン質からお酒を造る場合、まずデンプンを糖分に分解し、
その糖分を発酵させるという段階をふまなければいけません。
また日本酒を製造するには、原材料のお米を精米して外側を削り取るのですが、
お米が砕けないように、温度管理をほどこし丁寧に削り取るため、
他の酒類と比較しても、非常に高度な技術が必要とされるとのことです。
そのようにして作られた日本酒の栄養成分ですが、
100mlでアルコール度数1%あたり7kcalほどあります。
一般的な日本酒1合(アルコール度数15%、180ml)でだいたい189kcalとなります。
米飯のカロリーは100gあたり168kcalですので、
レンジアップ用のごはんパック(200g)と、日本酒1.8合でほぼ同じカロリーです。
日本酒を飲みながら食事をする場合、ごはんを食べないという方が多いですが、
カロリー計算上はそれで十分だということになります。
また「酒は百薬の長」という言葉もあり、適量のお酒をたしなむ食生活をすれば、
病気を遠ざけ健康に近づく、ということです。
日本酒の醸造過程では、お米の麹(こうじ)に含まれる酵素によってタンパク質が分解され、
さまざまな種類のアミノ酸が生成されます。
一例としてグルタミン酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニンなどです。
化学や医学の知識が無いと、名前だけを聞いてもチンプンカンプンですが、これらのアミノ酸は、
筋肉や皮膚を作る、脳の働きを高める、免疫の機能を高める、アルコールの代謝を助ける等々、
いっぺんに書き起こせないほど多くの効果・効能があります。
また日本酒の中の麹酸には、しみ・ほくろの原因になるメラニン色素の生成を抑えたり、
皮膚の代謝を高める「美肌効果」や、髪の発育を促す「育毛効果」もあるそうです。
日本酒の名所と言えば、水がきれい、米どころ、港のような交通の要衝などです。
これらの中に「美人の多い土地」としても有名な場所が多いのは、偶然ではない気がします。
特に、一人当たりの日本酒消費量の上位3県、新潟・秋田・山形は、
それぞれ越後美人、秋田美人、庄内美人という言葉があります。
これが、日本酒の効果がどの程度影響した結果なのか、気になるところです。
その一方、これは日本酒に限ったことではありませんが、
体内での代謝が追いつかないほどのペースまたは量のアルコールを摂取すると、
悪酔いや二日酔い、酷いケースになると急性アルコール中毒となり、命の危険すら伴います。
未成年者の飲酒は健康上の理由のため、法律で禁止されていますが、
成人であればなおのこと、節度を保ち、上手にお酒とつきあっていく必要があると思います。